すまろ第五号より抜粋
真・霊魂講話(第一夜)日本の中で本格的に「霊魂研究」と云うものが始まってから、すでに九十年近い年月が過ぎている。もちろんそれ以前にも霊魂を取り扱ったものはあるが、米国に始まり英国に華咲いたスピリチュアリズム(霊魂主義)が国内で書籍となったことを、ここでは指している。 それは故浅野和三郎博士の「心霊講座」(大正三年刊)である。じつは遺憾ではあるが、この書籍をして現在の国内における霊魂研究関係書籍の最高峰と云うことは、多くの方に異存が無いところだと思う。(遺憾と云う意味は、それ以後に続く私達の力不足と云う他はない。) 当然ながらこの分野の書籍は以後多種多様に数多く出版されていて、私達が参考にすべき書籍は両手で数える以上にあるかもしれない。ただ残念なことに、国内での霊魂研究の土壌が宗教的分野と相重なってしまう現状では、読者の側で宗教色を払拭して読む努力を強いられてしまっているのである。(その点では外国の書籍でも同様にキリスト教の影響下にある。) この様な背景を持っていた結果、霊魂研究と云う用語じたい、実際の所いまだに市民権を持っていない。さらに近年あった人類史上始まって以来と云えるような手段での某宗教団体の残虐事件の余波を受けて、霊魂研究という分野が迷信と搾取のものだという意識すらできつつある。 そこで私達は、ここに「新・霊魂研究へのいざない」と題して、読者の皆様に霊魂研究本来の基本的な知識と、そこから導き出されるところの個人の幸福への技術や理論をお伝えしようと思う。 私達の霊魂研究に対する基本姿勢は「真実は一つに非ず」という言葉に集約される。たった一つの事柄に縛られるのではなく多角的な知識の集積が、凡人である私達に視えないその姿の輪郭を教えてくれると信じている。読者の皆様も、これよりお伝えする全ての事柄を、ただ鵜呑みにするのではなく各自の知識思考の中で咀嚼され、ご自身の真実を見極めて欲しい。
|
霊魂研究とその用語さてこれより皆様にお伝えする様々な事柄の中で、最も重要であると思われることは、「用語の統一」である。大切な事なので、説明をさせて戴く。 私達がいろいろな情報を収集しようと思ったときに大きな役割を果たすのが「言葉」である。この言葉やその意味が統一されていなければ、正しく伝わらないし、同時に正しく知識を集積することができない。 そして私達が、まったく新しい知識を得ようとしたときに、その延長線上に考えられるべき事が用語の統一なのである。その知識を新しく修得しようと考えたならば、その知識上での用語の解説は一番初めにするべき作業となるであろう。 そう言う意味で、今回からしばらくは基礎的な用語の解説をして行く。皆様方は、いったん各自がお持ちの用語に関する知識やイメージを白紙に戻していただき、真っ新な状態で読んで欲しい。そして皆様の経験上蓄積された用語意味に置き換える作業を経られて、それ以上でも以下でもないシンプルな用語の統一にご協力戴きたい。
それでは始める。ご準備はよろしいか。 まずは、「霊魂現象について」である。これは、先の浅野和三郎博士の「心霊講座」による用語解説をまとめたものに、それ以後確認された霊魂現象を解説したものである。私達の本旨を汲み取って上手くまとめたものがあったので、引用させていただく。
|
霊魂現象について
霊魂現象とは、目に見えぬ霊魂によってさまざまにひき起こされる現象であり、大別すると下記の様に二つに別けられる。
A.物理的霊魂現象 B.精神的霊魂現象
前者は、いわゆる霊能力者(物理霊媒)を媒介として引き起こされる肉眼で確認できる現象で、第三者が客観的に認めざるをえない現象であり、それを霊魂とまでいかなくても、何か未知の力として認めてしまうような現象である。それに対して後者は、霊能力者自身のみが主観的に認める現象で、第三者には、それと心理的現象との区別が難しく、特にそれを区別できる能力者を審神者(さには)といっている。これは媒介となる霊能力者よりも、数段上の霊格及び人格・深い知識と探求心・洞察力及び判断力・確固たる信念・愛の心(救霊心)・胆力・看破力を必要とするといわれる。
次にそれぞれを詳しく説明する。
A.物理的霊交現象とは イ)叩音(rap:ラップ) ロ)物品遊飛(levitation:レヴィテ−ション) ハ)物品移動(The Phenomena of Apports:アポ−ツ現象) ニ)霊幽体物質化現象(Materialzation phenomena:実体化現象) 1)霊幽体 2)気化体 3)半物質化 4)全物質化 ホ)直接談話現象(Direct Voice:ダイレクト・ヴォイス) へ)直接書記(ダイレクト・ライティング)・直接作画(ダイレクト・ドロウィング)及び義手現象 ト)発光現象 チ)種々の匂いを発する現象(発臭現象) リ)霊魂写真現象 写真に霊魂の姿が写る現象で、時にはそこにはなかった物質に姿すら写ることがある。昔は模造方法など多かった為に色々批判されたが、現在ではポラロイド等の発明により、確実性が増している。同時に写真という媒体がビデオやデジタルカメラなどの登場で多様化したために、そのメカニズムにも多種の検証が進みつつある分野である。 通常の写真に、写した覚えの無い物や光が写っていたりする、いわゆる「肉眼で確認できる」不思議な写真を総称して云う。 霊魂写真に写っているモノの内容は、神霊/眷属/霊魂/精霊/生霊/エクトプラズム(生命エネルギー)などであるが、その他にも、そこには無かった物質や品物が念写されるケースや、本人の身の上に起こる特殊な現象として、生体が透けたり消えたりするケースもある。 ただ本当の霊魂写真というのは、一般からそうではないかと疑って鑑定を依頼されても、100枚ある中の10枚もないのが普通で、現像ムラとかフラッシュ反射や、レンズのすぐ前に指やケースがあって写り込んだ場合などがほとんどである。 この手の写真を鑑定する場合には、その写真だけではなく前後の写真やネガがあった方が、より的確に鑑定ができるので依頼をする時には覚えておくと良いだろう。
ヌ)心霊手術 ル)その他
B:精神的霊魂現象とは、 主観的な現象であり個人的な体験である為に、心理的現象と混同しやすく実証研究が難しい現象である。その為に全て主体となる霊能力者の修道態度や指導言動など人格の如何によって信頼度を測ることが重要になる。また、単純には霊能力による広義の感応現象をいう。 精神的霊魂現象は以下の現象に分類できる。
い)霊視(Clair Voyance:クレアヴォヤンス) ろ)霊聴(Clair Audience:クレアオウディエンス) は)霊言(Spirit Speaking:スピリット・スピ−キング) に)自動書記(Auto Writing:オ−トライティング) ほ)感応現象(Inspiration:インスピレ−ション) へ)幽体離脱現象 と)霊夢 ち)その他 以上が基本的な霊魂現象についての解説である。
|